キューバ、革命博物館で思う。


博物館前は美しいピンクの花が咲く並木と公園

ホテルの近くに美しい花香る広場の奥にそびえる革命博物館(Museo de la Revolucion)に行ってみることにしました。(入場料は1人8CUC 2019年4月現在。) フィデル・カストロ、あまりに有名なチェ・ゲバラ、カミロ・シエンフェゴス他、革命戦士達がゲリラ戦で使ったラジオ、バック、靴などの持ち物、そしてゲリラ兵士達の様子やアメリカからの攻撃などの歴史を伝えるモノクロームの写真が展示されています。驚いたのは、兵士には女性も混じっていたということです。

’HOMELAND OR DEATH’

英語の説明もあるのですが、基本スペイン語の説明が基本なので夫に多少解説してもらいながらゆっくり館内を回りました。この展示はキューバ側の見解だと少し差し引いて見学するももの、アメリカと独裁的だった革命前の権力者のおかげで翻弄され、犠牲になった国民の姿が垣間見え、革命戦士達がなぜ英雄視されるのかが理解出来るような気がしました。


もうすぐ5月1日、メーデーということで、革命広場では行進の練習が行われていました。多くの若者が同じカーキ色のズボン、スカート、または軍服を着て、赤や紺のキューバ国旗の色をしたカードを持っており、当日のリハーサルをしていた様子。ドライバーに聞くと、彼らはミリタリーの学校に入る直前のの学生達、または現在アカデミーにいる若者達とのこと。アカデミーには2年間が義務、その後残るかどうかは選択出来るようです。


さて、この革命広場で有名なのは、ビルの壁を利用して描かれたチェ・ゲバラとフェデル・カストロの顔。キューバの人達はなかなかのハンサムや個性的な美人が多いですね。チャーミングな笑顔を持つチェ・ゲバラは国民の永遠のヒーロー。ローカルの人々が使う紙幣にも写真が印刷されています。

チェ・ゲバラが描かれたローカルの人々が使用する紙幣

さらなる使命のためにボリビアに入り、捕まって殺されてしまった彼は、長生きして政策に苦慮しながら生涯を終えたフェデル・カストロよりもヒーローになりやすかったのかもしれません。


お約束のクラッシックカーで街を周り、1人20CUC、チップを入れて2人で45CUCを支払いました。後でテレビの旅番組では35CUCと紹介されていたので、ちょっと高めに支払ったかも?

ユニオンみたいになっているのか、車がずらっと並んでいる所には、車を采配するバッヂをつけた男たちがいて、客寄せに余念がありません。ザ・キューバ、という体験のためのクラッシックカー観光は確かにこの国でしか体験出来ないものなので、気持ちよく支払うものの、この金額と、配給制度の中物資が足らず、社会主義の元では月給が3000円から6000円くらい、と聞いている事実とのギャップがなんとなく違和感を感じます。


配給場所には毎日列が出来ていて、ペットボトルに決まった量のオイルを入れてもらったり、一皿の卵、大きなパンや豆などを持ち帰ります。
ハバナのメインの通り、オビスポ通りでは、子供や杖をついたおばあさんが観光客に少しばかりのコインをせがんでいます。
どの地に行っても、ただ物乞いに施す、というのは行わない主義なのですが、流石に気の毒になるようなシーンも。

街角のいたるところで売っているフルーツ


ただ、バンドの演奏や彼らのCD、大道芸人、ユニークな服装のキューバのマダムの写真を撮らせてもらう時などは、気持ちよくチップを支払います。彼らはそうやって、配給プラスアルファの物資を得ようと必死。たくましさと生きる力をビシビシ感じます。

とても美しい笑顔のダンサー
コヒバを吸うマダム。「写真を撮らせてください」と頼むとポーズ、そしてチップのジェスチャー


欲しくなるような服もなければモノもない、けれど強烈な印象だったのはアートの豊富さ。こちらの記事のサンホセ民芸品市場の他にも、個人のアーティストが小さな間口の店で作品を売っている、写真家が少し加工を施して作品にしている、ゼロからクリエイト出来るアートは自由経済がないから故に発達したものかもしれません。

しかしながら、陽気で優しい人の多い国、古き良きキューバがなくなるかも?というのはツーリストのエゴで、人々がもっとさらに活き活きとするためには自由経済は必須だとも思います。最近はレストランをオープンするのも規制が緩くなりつつあると聞いて、ちょっとだけほっとしました。

雨上がりのハバナ、裏通り


衛生面も改善の余地は大だし、水や紙は足りているように見えないし、こんなステキな国が文明から取り残されているような感じがするのは、昔の私欲にまみれた人達の作り出したいびつなシステムの犠牲になっているとしか思えません。 キューバには美しい海もあるし、緑もある。発展出来る要素はいっぱい。美しいビーチリゾートの話は次の記事にて~。