すずらん祭りの日(5月1日)にパリを訪れた5年前
5年前のゴールデンウィーク、すずらん祭りの日に、かなり心身を消耗した私はパリに到着した。
前の結婚を精算し、ひとりの出発への人生の再スタートの旅でもあった。
パリの大人の雰囲気と匂いは、いつも私の心を癒してくれる。
気取る訳ではなく、パリとは以前より何かとご縁がありました。
離婚してからしばらく、そろそろ一人旅を・・・
1週間以上の滞在のスタートが、すずらん祭りの日。
この日は誰でも路上ですずらんの小さなブーケを売ってもいいし
到着した空港やレストランでもすずらんのお出迎え。
小さな希望が湧いてきたことを、ついこの間のように思い出します。
その1週間は1日2万歩は歩いているのでは?
というくらい街中を良く歩き、
そしていろんな事を考えたり、友人と会ったり・・
あれからもう5年かあ。。。 と感慨深いものです。
パリへは基本一人で行くもの、であった私が
今年、夫と一緒に降り立ったのがなんとなく不思議だったりします。
雨のエッフェル塔
パリは夏の晴れた日が最高ではありますが
今回の短い滞在では寒くて、しかも雨が時折しとしと。
それでも、パリが初めての夫のために
王道のノートルダム大聖堂とエッフェル塔へ行きました。
宿泊はノートルダム大聖堂のすぐそば。 セーヌ川左岸が落ち着きます。
私はクリスチャンではないのですが、パリの寺院や教会には何度も足を運んで心を開放させてもらってきました。
キャンドルに火を灯して捧げると、荒れた心がだんだんと鎮まってきて、落ち着いてきて・・・。
私にとって、ひとり旅、または誰かに会いにくるための聖地であった場所にパートナーといる、というのは、またひとつの人生の区切りでもあるのかもしれません。
そして久しぶりのエッフェル塔。
なぜか金属なのにエレガントな秘密は、むき出し感のある色合いと、脚の部分の装飾の美しさにあると思います。
繊細な見かけなのに、凛としていて芯が強い。
エッフェル塔のある公園を出て、セーヌ川沿いにしばらく歩き、ドラマチックなシーンにいるかのような気分に浸ります。
日常生活を盛り上げてくれる舞台がいつもそこにあるというのは羨ましいものです。
バトークルーズも2階建てバスも、観光客で賑わっていて、ひそかに
5月でもこうなんだから、夏に来ないで正解・・・と思ってしまいます。
7-8月のパリは、みんなバカンスに出てしまっていてパリらしくないので、あえてシーズンをちょっとずらします。
到着時のイミグレーションで、ちょっと質問があったので、英語で聞こうとしたら、意地悪そうな目をしたオフィサーに
『Speak French.』
と言われたのには、さすがパリ!と皮肉に思ったけれど・・・
やっぱり傲慢に、フランスが一番!と信じて他を馬鹿にする信念は脈々と、ある一定の人たちには引き継がれているらしい、と感じつつ、
「今回の旅はあなたがメインではないからいいわ、オーヴォアール(さようなら)」
と言いたくなってしまいますが、しばらくするとまた来てしまうに違いない、悩ましい都市。
それが私にとってのパリです。