国立がんセンターのドクターは1時間話を聞いてくれた ~ 回想③


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セカンドオピニオンを取った国立がんセンターでは

まず先生が今の仕事の環境から家庭環境など

事実関係を確認しながら、

現在の私の卵巣がんの状態を冷静に説明してくれました。

動揺していて溢れる涙をこらえきれない私に

「こういう所で、思い切り泣いたほうがいいですよ。」

と泣き止むまで待ってくれて

気が付くと1時間ほどの時間が過ぎていました。

そんな医者が日本にどれだけいるのでしょう?

今後の検査予定や手術の予定を説明されても

なんとなく上の空で聞いていたものの

この先生は信頼出来る・・・ お任せしよう。

そういう確かな気持ちが湧いてきていました。

ああ・・・いい先生に出会えて本当に良かった。

これも人との出会いのおかげだと思うと

いろいろな人生の奇遇に感謝しきれないほどでした。

神様は乗り越えられない試練を与えない

以前誰かから聞いたその言葉を支えに

私のがんとの闘いが始まりました。

日に日に重くなるお腹の周辺、そして内側で膨れ始めたがんや

腹水のせいで、背中の神経が時々疼き始める毎日。

がん告知をされてからしばらくでこんなに症状が出るとは・・・

つい1週間前まで、何の自覚症状もなかったのに

告知によりストレスがMAXになると共に

身体の中から癌が存在感を訴えはじめたようでした。

早く手術をしたい、早く取り出してほしい、

それだけを考えて毎日の検査を乗り越えていたある日

ドクターから電話がありました。

手術日に関する連絡だとばかり思って

期待をして電話を取ると・・・

「CTスキャンの結果が来ましてね、左乳房に影があるのが分かったので、明日マンモグラフィー検査に来院してください。」

気付くと駅前で電話していたのに、その場で絶句して座り込んでいました。

卵巣がんと乳がん

多重がん

同時多発

片方が治っても、もう一つある。

助かる訳ない・・・。

そんな思いが次々と巡ってきて頭の中も目の前も真っ白でした。

辛い、辛い、辛い・・・・。

でも自分で全て受け止める。

全て自分で状況を把握して、

自分の命だから、自分で決断する。

そして何があっても自分で決めたことは後悔しない。

そう決断した時でした。

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