ブロニー・ウェアというオーストラリアの女性が書いた本をご存知でしょうか?
10年間、人生の最期を迎える患者さん達をお世話する、いわゆる終末ケアを担当していた看護師さんです。
そのブロニーが、多くの患者さんが死ぬ間際に多くの後悔をする、しかも共通して思うことがある・・・
それを「The Top Five Regrets of the Dying(死ぬ前の5つの後悔)」としてブログとして残していたものが評判となり、本となったものです。
The Top Five Regrets of the Dying - Bronnie Ware
PTG = Post Traumatic Growth(トラウマの後の成長)
私自身は、自分自身が癌にかかり、抗癌剤を6クール受け、放射線を受け終わり数年たった時にこの記事に出会いました。 そして、そこには私がまさに感じていたこと、実感したことが書かれていました。
PTG =Post Traumatic Growth(トラウマの後の成長)
という言葉をご存知でしょうか?
PTSD = Post Traumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)
は聞いたことがある人が多いと思いますが、PTGはあまりないのでは?と思います。
私はこの言葉を、ジェイン・マクゴニガルという女性(*「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」を書いた健康心理学者、ケリー・マクゴニガルの双子の妹さん)の書いた「スーパーベターになろう!」を読んで知りました。
まさに彼女が経験したことだった事だったのです。
トラウマになるほど辛い傷ついた出来事の後に起きる成長・・・
まさに死に直面する、または死ぬかもしれない!という危機感を真剣に持たざるを得ない状況に置かれた人々は、多くのことを悟り、別の次元からものごとを捉えられるようになり、成長するのです。
死ぬ前の5つの後悔とは?
ブロニー・ウエアさんは、終末看護をしながら多くの患者さんと語り、人々に共通する後悔があることに気付きました。
1. I wish I’d had the courage to live a life true to myself, not the life others expected of me.
他人の期待に応えるのではなく、自分自信に正直な人生を生きる勇気があればよかった。
多くの人は夢を追う事を忘れてしまうか、諦めてしまいます。
少しでも追い続ければ良かった・・・健康を失いかけた時には、もうその体力が残っていなかったり、実現不可能になることが多い。でも、そのことに健康を失ってから初めて気付くのです。
この後悔が患者さんの中で最も多いそうです。
健康でいるだけで、多くの可能性が残されていることに、健康なうちに気付く・・シンプルな幸せに気付きたいものです。
2. I wish I hadn’t worked so hard.
あんなに働き過ぎなければよかった。
この後悔をするのは男性が多いといいます。多くの時間を仕事やスポーツジム、ゴルフ、会社の接待、同僚との愚痴のみなどで過ごし、そして家族と過ごす時間を大切にしてこなかった人たち・・・日本人にも多いですよね。
人はより多くの収入を得ようと、必死になって仕事をし、そしてまた多くの会合に出たりして本当に大切な人との大切な時間を後回しにすることがあります。
少しでも幸せな時間を生きている時間に増やすには、お金の使い方や時間の使い方を工夫することで、また新しい機会が生まれて、自分に合ったライフスタイルと出会えるのかもしれません。
3. I wish I’d had the courage to express my feelings.
勇気を出して、本当の自分を表現すればよかった。
思っていることを口に出せずにストレスをためてしまう時・・それは、他人にどう思われるかを気にし過ぎていることが多いです。日本の社会では特に、「こんな事を言ったら失礼ではないか」「嫌われるのではないか」「常識がないと思われるのではないか」という他人への配慮も大きいでしょう。
ただ、自分の意見を言えずに悶々とストレスを抱えて病気になってしまうのであれば、やはり本当の自分の思うことを表わせた方が健康的です。
それで離れていく友達がいたとしたら、それは離れるべくして離れた人だと思いましょう。
4. I wish I had stayed in touch with my friends.
友人と連絡を取り続ければよかった。
昔仲良かった友達と連絡を取り続けていますか?
貴重な青春のひととき、一緒に頑張ったこと、一緒に笑った友だち・・・
死ぬ前に人は「最後にあの友達に会いたかった・・」「もっと連絡を取り合って良い関係を続けていれば良かった」そう思うそうです。
大勢の友達がいなくても、本当に分かりあえる信頼出来る友達が少しいればいい。
でもそのお友達をうんと大切にしてください。
5. I wish that I had let myself be happier.
もっと幸せを求めればよかった。
「幸せを求めること」が悪い事のように、妥協して生きていませんか?
生きていれば、健康であれば「チョイス(選択)」があるのですが、多くの人は「Comfort Zone(快適な場所)」から抜けることを危険な、恐ろしいことのように思い、それを避けて一生を終えます。
本当に快適な場所であれば、それも幸せな生き方ですが、心から幸せでなければ、「幸せ」と心から思える方向に向かってチャレンジしていくこと、これも選択です。
健康を害してしまってからではなかなかチャレンジしにくいものです。
27歳で若すぎる死を迎えたホーリー・ブッチャーさんからの人生のアドバイス
2018年1月3日、オーストラリアで26歳のホーリー・ブッチャーさんが珍しい癌でなくなりました。
翌日、ご家族が彼女が病床で書いたメッセージ「ホーリーからのちょっとした人生のアドバイス」をホーリーさんのFacebookに投稿し、世界中でシェアされています。
26歳で死を受け入れなくてはならないと認識しなくてはならないというのは珍しいことかもしれません。普通の人は、予期しないことが起きるまで、ずっと同じように日々がやってくると思い、そんな事には目を背けているから。
私も愛する人と一緒になって普通に年をとって、皺が出来て、白髪になり、愛する子供たち、美しい家族に囲まれて・・・と想像していました。
27歳で自分の人生が大好きだったし、愛する人もいて、逝きたくない、、、でも自分のコントロールはもうきかないのです。
このような冒頭から始まり、人生の大切なエッセンスがつまっています。
・小さなことにこだわって心配し過ぎることを辞めて欲しいいと思う。小さくて意味のないストレスを感じるのは無意味だから。
・何かのことでイライラすることもある、でもそれを引きずらないで。
イライラしたら、外にでて大きく胸いっぱいに深呼吸して。空がどんなに青くて、木の緑が美しくて・・・呼吸が出来ることに本当に感謝出来るはず。
・今日渋滞にはまった、赤ちゃんが泣き止まなくて何度も起こされた、髪の毛が上手に切ってもらえなかった、付け爪が取れちゃった、お腹がぶるぶるする、お尻にセルライトが・・・そんなのどこかにやってしまって。
もしあなたが死ぬ間際になったとき、そのような事は気になるかしら?
「私は今、もう一度だけ家族と誕生日やクリスマスを過ごしたい、パートナーと、犬ともう一日、本当に1日でいいから余計に一緒に過ごしたい」
そして、こんなホーリーさんの切実な思いがつづられています。
そして手紙の後半に、人生を悟った人が分かること、「与える」ことの大切さ、自然と触れ、その時々の瞬間を楽しみ、モノよりも体験にお金を使うことの大切さが書かれています。
与えて、与えて、与えるのです。 人に何かしてあげた方が、自分のためにすることよりもより幸せを得ることが出来るって本当です。 私ももっとこのことを出来ていたらって思います。
病気になったおかげで、本当に素晴らしい人に与えることを惜しまない人々に出会いました。その人達は、私の家族や友だち、そして見知らぬ人からでさえ思いやりのある言葉を受け取る人々です。その人々のことを決して忘れることはありませんし、ずっと感謝し続けるでしょう。
お金をもっと「経験」に使いましょう。少なくとも物質的なものを購入したために「体験」するお金がないなんてことにならないように。
一日遠出をして海に出掛けて海に足を付けるのは気持ちいいこと。塩水に顔を付けてみてもいいわね。
携帯で撮るより、そして写真をどう魅せるかばかりに気を取られていないで、その瞬間瞬間を楽しんで。
お化粧に時間を取られ過ぎるなんてナンセンス。朝早起きして、朝焼けの作りだす色を楽しんでみて。
音楽を聴きましょう。
(中略)
生きるために仕事をして、仕事のために生きないで。
本当に心から幸せと感じることをやってください。
ケーキを食べることだって罪の意識を感じることなんてない!
やりたくないことならば、ちゃんとNOと言いましょう。
人が思う充実した人生のためにプレッシャーを感じないで、平凡な人生が自分は好きだと思ったらそれでぜんぜんかまわない。 大切な人にはチャンスがある度に「愛してる」と言ってね。
そして、不幸だと感じたら、あなたはそれを変える力があるということを忘れないで。どれだけ時間があるかは本当にわからない、だからみじめでいる時間はもったいない。本当に。
定期的に献血をしてください。 自分自身が人の命を救えるなんて、本当にいいことをしている気分になりますよね。それに一回の献血で3人もの命が救えるんです。
献血のおかげで、私は1年余計に生きることができました。この1年は家族や友だちや犬と一緒にすごせた、私の人生の中でもっとも素晴らしいものでした。
それではまた会う日まで・・
ホーリー
「5つの後悔とホーリーさんの手紙」
2つとも、とても共通するメッセージがあると思います。
大病を患ったり、大けがをしたりしたことのある人は、それを克服した時、「もう一度与えられた人生を本当に幸せと心から感じることをして過ごそう」と思います。
あいにく、健康でいる時はその事の大事さに気付かずに、大切な家族を傷つけたり、ないがしろにしたり、いつまでもそこにいるかのように振る舞ってしまうことがあるのです。
パートナーともし大喧嘩をしても、家を出る時は「ごめんね、愛しているわ。」
そう言えたらいいですね。
もしもその日、何かあったりしたら一生後悔することになります。
一瞬一瞬、与えられた日々を感謝しながら暮らしたいものです。
難しいガンで27歳という若さで天国に逝ってしまったホーリ―・ブッチャーさんの冥福を心よりお祈りいたします。
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