国際女性デーに考える


3月8日はInternational Women’s Dayです。今年のテーマは#BreakTheBias. この日に向けて何か発信したいと考え、私の勤務する会社では、「尊敬する女性のストーリー」をリーダー達から募集し、全社員にお届けしました。

こういう日というのは、つい「働く女性たちのための」という雰囲気になりがちですが、私は純粋に「身近な女性に感謝する日」でもいいかな、と思ったりもします。

感謝することや、尊敬する人を思い出すことで、改めて自分自身に意外とアンコンシャスバイアスがあることを思い知らされる、というような事もあるでしょう。

コミュニケーションの天才、Tia Sarah

私は愛する叔母のストーリーをご紹介しました。心の底から悲しく、いつまでも悲しみを引きずった2019年の秋。サラ叔母様は感染症、癌発症、抗がん剤で身体が弱っていき、他界しました。

お葬式に参列し、多くの人たちと話していると、皆が「私がいちばんのお気に入りの嫁だったの」「僕がいちばんのお気に入りの甥っ子」のような思いを抱いていたことがわかり・・・・。

何を隠そう、私も結構気に入られていると思っていました! 笑

彼女は、誰に対しても「あなたのことを本当に大事に思っているわ」と思わせるようなコミュニケーションをしてきたし、それが彼女の心からの言葉だったのだと思います。

ジェンダーギャップ、マインドセットの問題

プロフェッショナルな世界では、もはやジェンダーを理由に見下したりする人がいたら、逆に軽蔑されてしまうのでは?と思います。

日本におけるジェンダーギャップは本当に先進国の端くれとして恥ずかしいとしか言いようがなく・・・・ 120位あたりを毎年うろうろしているなんて、絶句です。(World Economic Forum -Global Gender Gap Report 2021 )

恥ずかしい日本の順位具合・・・・・

賃金差なども、多くの日本的企業ではまだまだあろうかと思いますが、仕組みそのものよりも、何よりマインドセットを変えるのが本当に大変ですね。

なんてったって、「女性は家で子育てするべき」とか「長男の嫁は介護するべき」とか、そんな考えしか持てない人たちはまだまだ多いですから、一人で嘆いていても何も始まりません。

行動を起こさない限り、何も変わらないのです。

「バイアス」それは、ジェンダーだけじゃない

私がまだ30代前半くらいの頃、営業に配属されたことがあります。その頃に担当した某大手企業に訪問した際、前任のおじさま営業から女性担当(私)に変わったことで、あからさまに嫌味を言われたことがあります。2時間ずっとお説教されたこともあります。今思うといじめられていたなあ・・・と。

その悔しさをバネにしたこともありますが、その後はとにかく与えられた数字目標などは必達は当たり前、をポリシーにしてきました。 ちゃんとゴールを達成すれば、女性だからダメ、とは言われなくなるだろう、と思ったからです。

懐かしい写真を見つけました。PCの大きさで時代が・・・

ただ、経験を積むとともに、バイアスというものはジェンダーだけではないことが分かってきます。

「士農工商代理店」とわざと言ってみせる代理店さんがいたり、「営業の方が稼いでいる分、(お金を使う)マーケティングより偉い」というそぶりを隠さない人がたまにいたり、いろんなバイアスがあるものです。

多くの関係性はパートナーシップ

仕事をする際に、私がとても大事にしている概念があります。単純なことですが、仕事でお世話になる相手は、全てベースはビジネスパートナーシップだということです。

こちらがクライアントだから偉い、ということもないし、私がマーケティングだから営業の顔色を伺わなくてはならない、ということもありません。もちろん、逆もなしです。

皆、それぞれの強みとケイパビリティを最大限に発揮し、同じ目標に向かって協働するパートナーです。

そう思えば、自ずと相手のスキルやケイパビリティに尊敬の念も抱くし、感謝の念もめちゃくちゃ芽生えるものです。

例えば、私は動画を作ったり、イラストレーター、フォトショップ等々は苦手なので、広告代理店のクリエイティブの人たちにはいつも感激しているし、感謝していています。(美大の娘の感性やスキルにも時々ハッとさせられて尊敬〜、と思うことも。いわゆる I’m so proud of you! みたいな感じです。笑) 

マーケティング部の存在価値も、過去マーケティングに関わってきた20年来ずっと、「何かパンフレットやウェブサイトを作ってくれる部署」と思われがちなところを、「ビジネスの両輪として、一緒に戦略を立てていく部署」でありたいといつも思って仕事をしてきました。

女性だから、男性だから、じゃなくて、より前向きで充実した人生にするために、そして良い世の中にするために、お互いの素敵なところを尊敬し、感謝し、仕事の秀でたところを讃えてみませんか?